易食研究所

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日本易食研究所 主宰      

◇食べ物への考察◇

 

牛乳や乳製品は骨を健康にできる?


 「日本人の食事摂取基準(2005年版)」には、日本人成人のカルシウムの目安摂取量が650mg〜900mgであると記されている。また、牛乳を主な摂取源として勧めている。
 牛乳や乳製品は骨格の健康を増進し、骨粗鬆症を予防することができると一般的には認識している。しかし、最近の研究は、その証拠はないという結論が出てきた。 
 これはアメリカの責任医学医師委員会の専門家が、今年3月に発表した≪乳製品とカルシウムの摂取に児童骨格健康に対する作用の再評価≫という文章に示されている結論で、乳製品とカルシウムの摂取は、多ければ多いほど良いというわけではなく、過剰摂取は児童骨格の健康に良くなく、適量の摂取と運動が骨格の健康の基になるとしている。
 この研究は37項目の乳製品と食事で摂取したカルシウムの、児童、青少年の骨格健康に対する影響を分析したもので、中の27項目が両者間に関係がなく、10項目は効果がうすいという結果だった。しかも、10項目のうち、3項目はビタミンDをも加えた結果であるため、カルシウムだけの効果を考えると37項目のうち7項目しか効果がないことになる。研究では、乳製品の摂取量の増加は、若い人の骨格健康によいことが示せないため、牛乳や乳製品の摂取量を増加したら、若い人の骨格が丈夫になるということは、医学的な根拠が足りないと結論づけた。
 成人について、日本の研究者が1993年に発表した論文によると、35歳以上の女性の大腿骨頚部骨折の発生率は、日本の女性はイギリスの女性より低いということがわかった。しかし同時に、日本の女性の牛乳や乳製品の摂取量は、イギリスの半分以下であることも調査で分かった。
 植物性のカルシウムは人体への吸収が悪いと言われ、牛乳や乳製品を多く取ることが勧められている。そのため、牛乳や乳製品の摂取量が少ないのは、カルシウムの摂取量が少ないという意味となってしまった。なぜなら、牛乳や乳製品に含まれているカルシウムの量が豊かなだけでなく、吸収もしやすいと言われているからだ。
しかし、こういったことに反する事実は続々と発見されてきた。
 アメリカのテネシー大学の研究者は、56名の8〜13歳の女の子に2年間の研究を行い、毎日の食べ物を記録し、尿と血液のサンプルを収集し、X線放射で、彼女らの骨格のサイズを測定した。そして、研究者は、毎日三つ以上の野菜や果物を食べた女の子は、三つ以下しか食べない同年齢の人より、骨格が明らかに丈夫であることを発見した。しかも、尿中に排出されるカルシウムの量は少なかった。
 さらに、研究者に一部純菜食者の骨量が高くなっている事も発見した。彼らは動物性の食べ物を一切食べず、野菜も生食することが多い。従来の研究では、体内のカルシウムが不足し、骨折しやすくなると考えられるが、実際には、彼らの骨格は大きくはないが、骨密度が高く、骨折しにくい状態であることが確認されている。
 牛乳や乳製品を大量に摂取しても吸収できない原因を一部の研究者は、牛乳や乳製品に大量に含まれているタンパク質を同時に多く取ることで、尿中に排泄されるカルシウムの量が増え、結局カルシウムが多く含まれていても、流出の量が多くて意味がないと考えている。そのため、牛乳や乳製品だけにこだわらず、骨粗鬆症を予防するためには、野菜や果物を多く摂取することを勧めている。
 

 

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