易食研究所

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◇食べ物への考察◇

 

白インゲン豆と中毒

大林恵運


 TBSの健康情報番組である「ぴーかんバディ!」が5月6日に紹介した白インゲン豆のダイエット法を試した視聴者が、激しい下痢や嘔吐に見舞われたことが、8日の各テレビ番組で報道され、注意を呼びかけている。
 「ぴーかんバディ!」では、白インゲン豆を3分間炒った後に粉末状にし、ご飯に振りかけて食べる方法を紹介し、ダイエット効果があると紹介した。しかし、この白インゲン豆のダイエット法を、番組の担当者は検証もせずに、ダイエット効果だけで視聴者を引き寄せようとした、という事についてはあまりにも粗末であったと言わざるを得ない。
 白インゲン豆がなぜ下痢、嘔吐などの中毒症状を引き起こしたのか。
 この問題は、白インゲン豆に含まれている抗トリプシン因子、植物凝集素、サポニンなどの特殊な成分によるものだ。
 抗トリプシン因子はタンパク質の吸収に影響を与え、植物凝集素は血液を凝固する作用が、サポニンは消化道の粘膜に強烈に刺激する作用があるため、局部の充血、腫れ、出血性炎症を引き起こし、さらに血中の細胞を破壊して、溶血性疾病を引き起こす。
 もちろん、これらの特殊成分は白インゲン豆だけが持っているわけではなく、多くの豆類やサヤにも含まれている。これらの成分は、加熱によって人体への悪影響が弱くなるが、生で食べる場合には、悪心、下痢、嘔吐、腹痛などの中毒症状が現れる。
 中国では、毎年こういった豆の集団食中毒事故が多く発生し、報道されている。この原因はいずれもインゲン豆やサヤの調理の時に加熱が不十分であったことで、毒素の作用が消えずに残ってしまうのである。中毒が重症になると、命を落とす恐れもある。
 「ぴーかんバディ!」では、白インゲン豆で3分間しか加熱しなかったため、明らかに豆が熟さなかった。白インゲン豆は粒が大きいので、3分間では火を通すことは不可能である。熟してないインゲン豆の特殊成分は分解されないため、そのまま豆に残り、粉末にしても毒素は解消されない。この状態のまま食べてしまうと、残留毒素によって短時間に、急性中毒症状が現れる。
 司会者は「アレルギーの方やおなかを壊す状態が続いた方はおやめください」と呼びかけていたが、問題はアレルギーやおなかではなく、急性中毒であることを忘れてはいけない。
 インゲン豆を炒る場合は少なくとも20分間は続けなければ、特殊成分が分解される。ただ、炒り豆はタンパク質が消化吸収しにくい。煮豆の場合でも、加熱時間は40分以上かけた方が良いだろう。
 また、サヤの場合も、なるべく火を十分に通してから食べるようにしよう。

 

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