易食研究所

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日本易食研究所 主宰   

◇体質分類◇
   体質というのは、体に現れている一種の固有特性であり、その特性は人間の遺伝性と獲得性(成長のため各種食物を取ること、自然環境と周辺環境の影響など外界から受け入れたことによる体の変化)に基づいて現れ、相対的に安定している。
 漢方医学は、体質とは、人間の体内の陰陽運動の反応による、臓腑の強弱の特徴を現し、特に気と血の二つの分野に集中していると考えでいる。そのため、人間の体質は大きく陰と陽の二種類に分けられ、更に細分化される。
 陰は一般的に寒冷、静止、下降、暗い、湿気、柔軟、内面などを代表し、陽は熱性、運動、上昇、明るい、乾燥、堅い、表面などを代表している。

 体質が陰陽和平の人は陰と陽の性質が均等になり、バランスを保つことができる。
 体質のバランスが良くない場合、さまざまな方法、例えば、食事での治療、薬の治療或いは鍼灸や按摩などの治療を通して、崩れている陰陽のバランスを均衡に回復させることで、体の健康を保つことができる。
 体質は突発的に形成されるものではなく、前述のように、遺伝性及び後天的な環境から影響を受けて形成される。陰陽和平体質以外の人は、一種の病気になっていると言えよう。少なくとも、健康でないのは間違いない。
 その体質の上に、更に変化がある場合、病気の各種の症状が現れます。漢方医学はその変化は六種あると考えている。
 この六種の変化は、表、里、寒、熱、虚、実のように分けられており、漢方医学ではこれらを「証」といい、前述の陰と陽を加えた八つの変化に対して、漢方医学の最も有名な診察の手法である「八綱辨証法」が構成されている。漢方医者はまず患者の症候が以上の八つの「証」の中にどれに属するかを分析し、「証」を確認した上で、治療を行う。
 また、漢方医学は、体の中の気と血の変化を加え、その気が充実しているか不足している、血行が良いか悪いかによりさらに人間の体質を細かく分けている。
 気というのは、人体を巡る精微物質や臓腑の機能活動を指す。気には呼吸の気、臓腑の気、経絡の気、水谷(飲み物と食べ物)の気などがある。気は血液の運行に重要な役割を果たし、気が充実すれば、血行の循環が良くなる。逆に、気が不足すると、血行を促進する力が衰え、血行も悪くなる。当然だが、気は血液中の栄養により、作用を発揮する。このため、気と血には密接な関係ある。
 血というのは、主に血液を指す。飲み物や食べ物などの栄養物質が化合発生されると脾臓や胃腸から吸収され、脊髄から血が作り出される。血液は栄養を運び、臓器の組織に必要な物を補充して、生命活動を維持する機能がある。漢方医学では血行は気の推進によると考えている。
 気と血はともに虚と盛(実)の症候があり、血にはさらに寒と熱の症候もあり、それも体質の一種として現れる。
 ここでは、いくつかの体質を大きく分け、それぞれについてみていこう。
 陰虚の体質
  陰虚の体質の特徴:
   体が痩せ、口が渇く、午後に消耗熱がある、寝汗、頬が赤い、脈が細く無力、唇や舌が赤い、こけが少ない、秋、冬は楽だが夏は調子が悪い、などが主な特徴である。
  以下の三種も陰虚の体質に属し、以上の症状の一部の他に、各々の特徴がある。
   虚熱の体質
    特徴:脈が無力、頬が赤い、掌と足の裏が熱い、汗が多い、生理期間が短くなりドロドロになる、などの症状がある。
   里熱の体質
    特徴:顔や目が赤い、身が熱く感じる、汗が多い、小水が少なく色が濃い、便秘、舌のこけが黄色になる、脈が強い、などの症状がある。
   里実の体質
    特徴:満腹感があり食欲不振、便秘、いらだちなどの症状がある。

 陽虚の体質
  陽虚の体質の特徴:
   顔色が蒼白になる、四肢が冷える、稀薄便、小水が多くなる、脈が緩まる、無力になる、舌のこけが白い、疲れのために横になるのを好むようになる、春、夏は体が楽になるが冬の調子は良くない、等が主な特徴である。
  以下の三種も陽虚の体質に属し、上記の症状の一部の他、各々の特徴もある。
   実寒の体質
    特徴:便が堅い或いは稀薄、脈が深く感じにくい、触れないほどの腹痛がある。
   里寒の体質
    特徴:舌の色が白い、脈が細いあるいは緩い。胃液を嘔吐し、腹が寒く感じる。
   虚寒の体質
    特徴:顔の艶がなくなる、食欲不振、胃、腹痛があり部位を押さえがちになる。
 陰陽両虚
  特徴:陰虚と陽虚の特徴が共に現れる。
  
 陰盛の体質
  陰盛の体質の特徴:
   体内のエネルギーが不足し、四肢が冷たい、寒さに耐えられない、浮腫、稀薄便や下痢、舌の色が白い、血行が悪い、生理痛が強い、夏が最も楽で冬は調子が悪くなる、などが主な特徴である。冷たい物の食べ過ぎが病因の一つである。
   表寒の体質
    特徴:こけが薄く白い、汗が少ない、脈が速いなどの症状がある。
   里虚の体質
    特徴:無力、めまい、耳鳴り、脈が弱い、食欲がない、疲れやすいなどの症状がある。
   表虚の体質
    特徴:脈が緩い、汗が多い、便秘などの症状がある。

 陽盛の体質
  陽盛の体質の特徴:
   代謝が亢進され、エネルギーが過剰になり、脈が浪のように拍動し、口が乾く、汗が多い、唾液が少なくなる、舌が赤くてこけが黄色で厚い、大便が堅い、小水が短く色が濃い、落ち着かずにいらだつ、などが主な特徴である。
   表熱の体質
    特徴:脈が弱くなり、頭痛、口乾き、咽喉の腫れや痛み、舌の周辺と先が赤い、などの症状がある。
   実熱の体質
    特徴:冷たい物が好み、便秘、小水の色が濃い、口が乾く、口臭、舌のこけが厚く黄色になる、鼻息が荒いなどの症状がある。
   表実の体質
    特徴:脈が強い、動悸、無力、疲れやすい、腰痛、頭痛、汗が出ない、などの症状がある。
    
 気虚の体質
  気虚の体質の特徴:
   長患いで体力が落ち、過労、老衰などにより、めまい、耳鳴り、顔色が悪い、疲れやすい、体や四肢に力が入らない、話す気力がない、息切れ、動悸、失眠、寝汗、脈が細く拍動に力がない、食欲がない、などが主な特徴である。
   肺気虚
    特徴:気虚の症状の一部の他に、咳、喘息、声が低い、風に弱い、などの症状もある。
   脾気虚
    特徴:気虚の症状の一部の他に、食事後に腹が張る、大便が稀薄、舌の色が薄い、脈が弱い、などの症状もある。
   脾肺気虚
    特徴:気虚の症状の一部の他に、長い咳、喘息、痰が多い、稀薄便、顔や足に浮腫、顔色が蒼白、舌のこけが白い、などの症状もある。
   腎気虚
    特徴:腰や膝に痛みやだるさ、無力、聴力が悪い、小水が頻繁、早漏、夢精、ED、脈が細い、などの症状がある。

 血虚の体質
  血虚の体質の特徴:
   顔色が黄色や蒼白で艶がない、唇や爪の色が白い、体が痩せている、めまい、耳鳴り、脈が細くて拍動に力がない、舌の色が薄い、食欲不振、動悸、元気がなく疲れやすい、膝や足に力が入らない、低熱、などが主な特徴である。

 血寒の体質
  血寒の体質の特徴:
   女性はこの症状が多い。顔色が蒼白、体や四肢の冷え、暖かくなると楽になる、腹のなかに塊がある、生理期間に良く腹痛があり、生理の色が暗くなったり、塊になったりする、脈が緩めである、などが主な特徴である。

 血熱の体質
  血熱の体質の特徴:
   体が熱い、顔色が赤い、大便が堅い、痔疾患、小水の色が濃い、喉が乾く、失眠、いらだち、血尿、血便、鼻血出やすい、血圧が高い、舌が真っ赤である、脈の拍動が強い、女性の場合生理が多く、べたべたしており、臭いが強いなどが主な特徴である。

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